政府が掲げる「地方創生」の目玉施策とされるプレミアム(割増金)付き商品券。地域経済活性という趣旨のもと,商品券は国や県の交付金を原資に,各市町村が20〜40%のプレミアムを付けるものである。
八千代市は,隣接する船橋市や習志野市と同率のプレミアム率を20%に設定して,8万セットを用意した。
◆八千代市のプレミアム商品券−2万セット,売れ残る
八千代市は,商品券全てを大型店舗で使えるようにすると,地域経済活性という趣旨からずれてしまう」として,1冊の商品券に中小店専用券(1,000円券×5枚)、大型・中小店共通券(1,000円券×7枚、500円券×1枚)の13枚と,中小店限定の券を混ぜるセットを売り出した。8万セット準備したが,約2万セットが売れ残った。
プレミアム商品券、千葉県内全54市町村が発行 売れ行きには明暗
◆千葉市−大人気・入手倍率は3・1倍超
プレミアム率を20%に設定した千葉市は5月、市内全戸に応募はがきを同封したダイレクトメールを送付。通常の紙タイプは1セット1万円で24万セットを準備した。応募は74万5812件で,入手倍率は3・1倍を超えた。
◆佐倉市−30%のプレミアム付−完売−市外の人も買える
佐倉市は,千葉市を上回る30%のプレミアムで1冊10,000 円 (額面1,000 円の商品券が13 枚綴り、13,000 円相当)
13 枚綴りの内訳:全参加店共通券10 枚(10,000 円相当)中小参加店専用券3 枚(3,000 円相当)※全参加店共通券はすべての参加店で使用可だが、中小参加店専用券は中小参加店でのみ使用可。大型店では使用不可。 購入できるのは,佐倉市民と、日常市内で買い物をしている市外の人。
発行総数6万6000冊−8億5,800 万円(プレミアム分1 億9,800 万円。プレミアム率30%)−を完売。
◆一宮町の40%のプレミアム付−4千セットが即,完売
昨夏、同様の商品券が販売した際は完売まで1カ月を要した一宮町では,県内最大となる40%のプレミアム付き商品券を販売した。
防災無線で広報するなどのアピール効果もあってか,20日から販売した計4千セットはすぐに完売した。同町は昨年は使用できる店舗が少ないとの指摘があったとし,今回は職員が店舗を訪問するなどして交渉し2倍の約200店に増やした。
◆鎌ケ谷市−約1万6千セットが売れ残る。
鎌ケ谷市は,千葉市を上回る30%のプレミアムで4万6千セット(1セット1万円)を用意したが,約1万6千セットが売れ残った。
鎌ケ谷市では、余った商品券を7月3日から販売所で先着販売する。同市では、1セットの額面1万3千円分のうち,大型店舗でも使える共通券が5千円分、中小店専用の券が8千円分となっており,このことも売れ行きに影響したとみられる。
◇ ◆
■各市町村における商品券プレミアム率
(カッコ内は市町村数) ※千葉県経済政策課まとめ
【40%】一宮、睦沢、長生、白子、長柄、長南 (6)
【30%】銚子、市川、松戸、野田、茂原、成田、佐倉、旭、柏、流山、我孫子、鎌ケ谷、君津、富津、浦安、四街道、八街、印西、白井、富里、匝瑳、山武、酒々井、栄、神崎、多古、東庄、九十九里、芝山、横芝光 (30)
【25%】船橋、習志野、八千代 (3)
【20%】千葉、館山、木更津、東金、勝浦、市原、鴨川、袖ケ浦、南房総、香取、いすみ、大網白里、大多喜、御宿、鋸南 (15)
◆プレミアム商品券の発行元は,自治体や商工会議所
プレミアム商品券とは,消費者がお金を出して一定額の商品券を買うと地元でプレミアム分を上乗せした金額の買い物ができる商品券である。発行元は,市町村などの自治体や地元の商工会議所など。
日本商工会議所による全国の商議所向けアンケート調査によると,2013年度までの5年間のうちにプレミアム商品券を発行した実績があるのは全体の約75%。自治体からの要請も多く,この割合はさらに高まりそう,という。
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